栄養満点で色がかわいらしく、みんな大好きな卵料理。朝食やお弁当に便利ですが、朝というのは忙しい時間でもあるんですよね!
なので、作り置きできたら便利だけど、なんとなく日持ちしないイメージがある卵料理。実際のところ、安全に食べるならどれくらい保存できるものなのでしょうか?
卵料理の日持ちはどれくらい?
一口に卵料理といっても、どうやって調理しているのか?どれくらい火を通したのか?卵のほかに材料を使っているのか?調味料は?卵の鮮度は?など、同じ料理だったとしても十人十色。
それらの要素で日持ち具合いもかなり変わってくるので、一概に「○日なら大丈夫だよ!」と言えるものではありませんが、そうはいっても目安は欲し~い!ですよね。
なのでこのページでは、卵料理の日持ちの目安と、より長持ちさせるコツ、保存方法について紹介していきます。絶対に安全である、と保証するものではありませんので、作り置きしたものを食べる前には、においを嗅いでみる、味見してみる癖をつけるようにしましょう。
「ちょっと味見するくらいで安全かどうかなんて分かるのかな~」とわたしも思っていたのですが、実際に卵で食中毒になってみて、意外と分かるものだな、と実感したので、自分の五感は思ったよりも頼りになるものですよ!
ちなみに食中毒になったときの体験談はここに書いています。興味があったらぜひ。
しっかり火を通している場合
やっぱり、というかなんというか、卵料理は基本的に作り置き向きではなく、日持ちもあんまりしない料理が多いです。
なので、もし卵料理を保存したい場合には、完全に火を通して冷蔵庫で保存!が鉄則!しっかり火が通っていれば夏なら1~2日、その他の季節には2~3日を目安に保存することができます。
どうやって温め直せばいい?
溶いて白身と黄身の混ざった卵を調理してあるオムレツなどは、ふつうにレンジに入れてしまって大丈夫ですが、目玉焼き、ゆで卵などをドンドコレンジで温めると、爆発する恐れがあります。
卵の加熱は電子レンジで保証していないことがおおいです。レンチンできないわけではないので、レンジを使うときにはできれば黄身を半分に切り、一気に3分とかやらずに少しずつ様子を見ながら、自己責任で行いましょう。
半熟卵の場合
目玉焼き、ゆで卵、オムレツなど、半熟に調理して、とろ~~りクリーミーな卵の黄身を味わうことこそ、卵料理の醍醐味ですよね。わたしの夫の場合、目玉焼きは半熟じゃないと認めず、黄身を潰したときに流れ出るくらいじゃないと納得しません。失敗して割った目玉焼きを出すときには、嫌なら自分で作れの気持ちでいます。
半熟卵を作り置きできたら便利ですが、半熟の卵はおそろしく痛みやすいので、基本的には作ったらすぐ食べる、が安全ルールです。
先に作りたい場合でも、作り置きできるのはせいぜい2時間~季節によっては3時間くらいで、保存する場合には必ず冷蔵庫に入れ、常温保存は厳禁です!
卵料理は冷凍できる?
卵料理は冷凍保存にはあまり向きませんが、料理によって「うん、これはなしだな…」という感じでまったく美味しくないものと、「これくらいなら許容範囲」という感じで、劣化はするけど美味しく食べられるものに分かれます。
やめたほうがいいのは、黄身と白身が混ざっていないゆで卵や目玉焼きの冷凍。黄身は問題ないのですが、調理した白身を冷凍すると水分が抜けてスッカスカになり、解凍するとゴワゴワのスポンジのようになってしまいます。固くて食べられたものではありません。
卵焼きあたりは冷凍しても美味しく食べられるので、お弁当用にたくさん作り、小分けして冷凍しておくと便利ですね。冷たいままお弁当箱に入れれば、保冷剤代わりにもなる優れものです。
料理別!日持ちの目安と保存方法
どの料理が具体的にどれくらい日持ちするのか、どうやって保存するのがいいのか?については各ページを参考にどうぞ!
目玉焼き
卵サンドの具
タルタルソース
半熟煮卵
温泉卵
茶碗蒸し
オムライス
キッシュ
カルボナーラ
フレンチトースト
スパニッシュオムレツ
手作りプリン
手作りカスタード
卵料理は生卵よりも日持ちしないの?
卵料理の日持ちについて調べてみると、疑問に思うのが「この卵、買ったばかりでまだ新鮮だし、賞味期限は1週間以上あるんだけど…」ということではないでしょうか?なんとなく、食材は生のままよりも火を通したほうが持ちが良い気がしますよね。
しかし、卵というのは生で殻に入っている買ってきたばかりの状態が、いちばん持ちが良い食品なんです。
殻自体に細菌を入れないようにする効果があり、さらに卵白にも雑菌から守る成分が含まれているのですが、加熱することでそれらが機能しなくなってしまうんですね。
日本のスーパーで売られている卵の賞味期限は「夏場に生で食べても安全な期間」が記載されているので、実はかなり短めに設定されています。賞味期限が切れそうだ!と慌てて調理したものを冷蔵庫で保存するよりも、生のまま冷蔵庫に入れておくほうが断然日持ちしますよ。
ちなみに、ヒビが入ってしまった卵の日持ちについてはこちら。
安全に生卵を保存するには
より卵を安全に長期間保存するには、生卵のまま冷蔵庫に入れるのが一番です!
賞味期限中に使い切ってしまうのならば、とくに気にする必要はありませんが、夏場に賞味期限内に使いきれるか分からない場合や、お弁当に使う予定がある場合には、以下の方法で冷蔵保存するとより新鮮に保存できますよ。
パックに入ったまま保存しましょう
卵は買ったときに入っているパックに入ったまま冷蔵庫に入れるのが、いちばん楽で衛生的です。
これは卵自体の日持ちを良くするためではなく、殻についているかもしれないサルモネラ菌を冷蔵庫内に広げないための小ワザですね。
それなら洗ってから冷蔵庫に入れればいいのでは?とお思いかもしれませんが、洗ってしまうと殻についている卵を守る成分も流してことになるので、菌がついているかもしれないけど、それでも!洗わないまま冷蔵庫に入れるのが安心です。
ちなみに、開け口から開けるとパカパカして蓋ができなくなってしまう卵パックですが、開け口とは逆側をハサミで切って開けると、開けてもちゃんと閉じる卵パックになります。蓋付きで冷蔵庫に入れたい場合にはお試しください。
尖ったほうを下にしましょう
よく見ると完全な楕円ではなく、下が丸くなっていて上が尖っている卵。丸いほうを下にしてパックに入っていることが多いですが、保存のためには尖ったほうを下にしたほうが鮮度を保てます。
冷蔵庫に入れましょう
万が一卵にサルモネラ菌が付いていた場合、10度以下で保存していると増殖をゆっくりに抑えることができます。
冷蔵庫の中でも、温度を10度以下に保てる場所に置くのが理想的です。
卵ラックは冷蔵庫のドアに付いていることが多く、そのせいかドアポケットに卵を保存するひとも多いですが、振動が多いので割れる恐れがあり、さらに温度変化の激しいドアポケットは卵の保存には向いていません。
生卵は冷凍保存もできます!
殻に入ったままならば、冷蔵保存で賞味期限プラス1~2週間日持ちする生卵ですが、それでも使い切れるか自信がない場合には、なんと冷凍保存することも可能です。
調理すると冷凍向きではないのに、びっくりですよね…!
生卵は、殻のままでも割った状態でも冷凍できますが、殻のまま冷凍するほうが場所を取らないのでいいのではないかと思います。冷凍すると殻にヒビが入るので、フリーザーバッグに入れて冷凍庫に入れましょう。一ヶ月を目安に保存できます。
わたしは卵は賞味期限内に食べてしまう派なので、殻ごと冷凍したことはないのですが、黄身だけ/白身だけ使う系のお菓子を作るときに、残ったほうをタッパに入れて冷凍したりします。
冷凍した卵を解凍すると、黄身はよりまったりクリーミーに、白身は泡立ちやすくなります。
冷凍生卵の解凍方法
殻のまま冷凍した生卵は、凍ったまま殻を剥き、容器に入れて1時間ほど自然解凍します。解凍した黄身は加熱後のゆで卵のようにまるっ!とした形になりますが、傷んでいるわけではないのでそのまま使って大丈夫です。
お急ぎの場合にはレンジの解凍モードでもいけますが、卵はレンジで加熱しすぎると爆発するので、様子を見ながら少しずつチンするようにします。
知っておきたいサルモネラ菌のこと
卵での食中毒で怖いものといえばサルモネラ菌です。サルモネラ菌があるから卵を扱うときには気をつけなければならない、と知ってはいても、何をどこまで気をつければいいのか聞かれるとちょっと自信がないわ…というひとも多いのではないでしょうか。
卵料理の作り置きとは切っても切れないサルモネラ菌について、この機会に復習しておきましょう。
どこに潜んでいるの?
サルモネラ菌が生息しているのは、なにも卵だけではありません。卵を生む鶏はもちろん、豚、牛など家畜や、ペット、人間の腸管のほか、河川にも潜んでいます。
サルモネラ菌に感染した食品を食べることで食中毒を発症しますが、食品自体は加熱して菌を死滅させていても、その食品を触っていた手を洗わないまま生野菜の準備をしてしまうなどの二次汚染の注意も必要です。
少量の菌でも食中毒を発症する、やっかいな細菌です。
どうやって対策すればいい?
しかし、サルモネラ菌が潜んでいる場所、気をつけることがわかっていれば、何に気をつければいいのかも分かります。
言われてみればあたり前のことなのですが、この対策をすることで、どういうふうに安全を保っているのかが分かると、手を洗うことひとつとっても意識的に行なえますよね。
保存方法を見直しましょう
もしサルモネラ菌を持ち込んでしまっても、増やさない、汚染を広げない保存方法を心がけましょう。
サルモネラ菌は10度以下の環境で増殖がゆっくりになり、マイナス15度以下で増殖を停止します。なので、食品は冷蔵庫にいれ、冷蔵庫内の温度を10度以下に保つようにしましょう。
冷蔵庫に入れても菌が死滅するわけではないので、こまめに冷蔵庫内を殺菌清掃するのが衛生的ですね。
手を洗いましょう
料理をするときに手洗いするのは基本ですが、調理を始める前にだけ行っている、というひともいるのではないでしょうか?
菌が手につく可能性は、調理中もたくさんあります。とくに肉、魚、卵を触ったあと、サラダなどの火を通さない食品を準備する前に、殺菌効果のある石鹸を使って手を洗う習慣を作りましょう。
また、食事前には家族みんなで手を洗い、雑菌を落としてからテーブルに付きましょう。
しっかり加熱しましょう
もし食品がサルモネラ菌に汚染していた場合、加熱することで死滅させることができるので、食品はできるだけ火を通すことを心がけます。
サルモネラ菌を撃退するには、中心部を75度で1分以上加熱する必要があります。
そうはいっても、すべての料理にガツガツ火を通してもいられません。「これ、あんまり火を通したくないんだよあ~」という料理につかう食材は、買い置きをしないで新鮮なものを使う、鮮度が心配になってきたら煮込みなどを作る、などの工夫をしたいですね。
感染したらどうなるの?
サルモネラ菌に感染した場合、とくに多い症状は、吐き気、腹痛、嘔吐、下痢です。人によってはさらに38度前後の発熱、多いわけではありませんが、重症の場合死亡する例も過去にはあります。
子ども、妊娠中の女性、お年寄りの食べる料理は、とくに注意が必要です。